拝啓、かけがえのないあなたへ

プログラムへの参加を決めたとはいえ、自分の意見を伝えること、他の人の気持ちを汲み取ることも苦手で驚くほど自信のないスタートを切りました。何かに取り組んでも、なんとなくで終わることがほとんどだった私の心を動かした、中沢浜のあるおばあちゃんを紹介します。

その方は手芸がとても上手でふくろうが大好きなおばあちゃんです。名前はあきこさんと言います。

少し恥ずかしそうにしながらも、手芸の作品ひとつひとつを紹介してくださり、込められた思いを知りました。手芸も含め、好きなことやご家族のお話のときは、特に素敵な笑顔を見せてくださいます。笑ったときに目元がきゅっとなるところが最高に素敵で、嬉しいことや楽しいこと、すべてを自分のことのようにお話してくだるところも大好きになりました。

訪問させていただいたお家を後にするときに、私が見えなくなるまで外に出ていてくださったときは、本当に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。知らない人のお家にお邪魔をして、お話することだけでも私にとっては大冒険でしたが、あたたかい気持ちを感じたことのほうがもっと印象的でした。

交流の有無が町の方の何になるのか、実はまだ自分の言葉で100%を語ることができません。ですが、あの笑顔で楽しそうにお話してくださる姿を見て心が動いたこと、そして勝手ながら報告会(プログラムの最終日に地元も方をお誘いして実施する会)にお呼びしたい方№1に認定させていただいた行動は、どうしてもこの人のために何かをしたい、と思ったから生まれたのだと思います。また会いたい、また話したい、そんな気持ちにさせてくれる何かがこの町にはあって、そしてその気持ちはすごく大切なものではないかと感じます。

あきこさんには、「なんとなく」の姿は絶対に見せたくないなと思いましたし、その気持ちは今でも変わりません。

拝啓かけがえのないあなたへ、お世話になったたくさんの方に想いが届くと嬉しいです。