VOICE

卒業生の声 2021/10/12

私のアナザースカイがマイスカイ

大学3年生の私は、クールに大人ぶっていた。

当たり前のように、大学に行き、友達と遊び、アルバイトして、、

思い描いていた大学生活ではあるけれど、どこか盛り上がりきらない感が

私の心の中にフツフツとうごめき出していた。

 

そんな時に、大学の知り合いが

「陸前高田市広田町に行ってみない?」と、声をかけてくれた。

 

震災復興というより、ボランティアというより

地方に暮らす人への興味、どんな町がそこにあるのか

好奇心から行くことを決めた。

 

そして初めて広田町に足を運んだ日、

私はこの町が、この町の人が好きになった。

好きになるには一瞬だったけれど、

この町で活動することで、たしかに私の中で動いたものがあった。

 

“大人”のイメージだ。

 

広田町に出会う前の私にとって“大人”のイメージは素敵なものではなかった。

私の周りで“人生が楽しい”と輝いている人がいないように見えていたから。

きっと、働くことはやりたいことや好きなことでなく、やらなければいけないことなんだというイメージがいつの間にか蓄積されていた。

 

でも、この町は違った。

 

泥臭く一瞬一瞬を思いっきり生きている人

少年のように自然との遊び方を教えてくれる人

自分の仕事のやりがいを楽しそうに語ってくれる人

 

この町には、かっこいい大人がたくさんいた。

 

どの人もみんな、

自分の気持ちに素直に生き、やりたいことをやるために頑張っている。

守りたいものは人それぞれだけど、その中でも一生懸命強く生きる姿から

大人になっても夢を描ける、追いかけられることを教えてもらった。

 

そして、もう一つかかせない存在の“仲間”がいた。

 

この町で活動する中で、

思いっきり笑ったり、顔が腫れるくらい泣いたり、

仲間と抱き合って喜んだり、眠気と戦いながら夜中まで話し合ったり、

町の人はもちろん、仲間がいつも一緒にいた。

 

一瞬一瞬がとても濃く、色鮮やかだった。

 

そんなかけがえのない日々を過ごし、見えてきた夢がある。

 

私に子供ができて、その子供が大きくなった時に

「お母さん大人になっても青春してるんだね」と笑いながら、呆れられながら、

羨ましがられながら、、

どんな風にかはわからないけれど、そう思ってもらえる日まで

自分が好きなことをしてバカやっていたい。という夢。

 

夢を描き続ける、追いかけ続けるという夢。

 

この町と出会う前は、夢を追いかけ続ける人を見て、

羨ましがりながら憧れながらも私には遠い存在と思っていた。

けれど、今となっては自分の夢であり、体現していきたい大人像となっている。

 

そう思えるようになったのも、

この町で、この町とみんなと出会えたから。

だから、私はこの町に移住した。

だから、私はこの町で夢を描き続けたい。

 

これから先、どんなことがあってもみんなと笑いながら歳をとりたい、

そう願う26歳の春@広田町。

VOICE一覧