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卒業生の声 2021/10/12

「”普通”って何だろう?」 

 普通の大学生は暇でなければならない。今の大学生は大学3年生くらいから就活を始めてしまうので、暇がない。これは良くない。

 

 暇は大学生の根源である。暇がなければ勉強することができない。遊ぶこともできない。大学4年間はあっという間に過ぎてしまったと回顧する人が多いのは、忙しかったからだ。大学生はもっと暇でなければならない。(大学生には税金が免除されているのは、大学生はもっと暇になれということに違いない)

 

 暇になると、自分は何をしようかと考える。僕は大学生の時暇だったので、東日本大震災の被災地に関わりたいなと考えてCMSPの運営スタッフになった。(CMSPスタッフは何をするのかよく分からず参加したらとてつもなく大変だった)

 

 CMSPのスタッフ(あるいは参加者)になると何がいいかというと、暴力的な意味不明な訪れに自らを投じることができることだ。初対面の人に対する時に漠然と感じる緊張感……。他者が自分に迫ってくる迫力はすごいものがある。(CMSPでは対話が重視されているので、自分は他者と面と向かって話すことになる)しかし、いったんお互いに境界をこえることができると、なんだかとても仲が良くなった気がする。

 

 誰かと仲良くなることがそんなに価値があるのか、と思うかもしれないが、本当に関係性を築くには自分と誰かとの差を認めることが必要だ。自分と他者は違う。その差を気にしなくてもコミュニケーションをすることは可能だが、それ以上の関係性を築くことはできない。CMSPのチームはしっかりとした関係性で結ばれたチームなので、仲良くなることはとても大事なのだ。そういう関係性はなかなか難しい。失敗することもある。

 

 そういう関係性を築いていると、普通っていうことの意味がよく分からなくなる。たぶん、世の中普通の人ならこうする、という行動規範や道徳はあるのだが、その背景に想定されている普通の人はいない。同様に、普通の大学生ならこうする、というモデルはあると思うのだが、よくよく考えてみれば普通じゃない選択をしている人もけっこういる。

 

 皆さん、一度とてつもなく暇になってみて、自分には今何が必要なのかよく考えてみるといい大学生になれるのではないでしょうか。暇になると、今まで気になっていなかったものが突然気になることがあります。一応、暇になった人にはCMSPも良い選択肢だと思います。

 

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