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卒業生の声 2021/10/12

頭を抱えて生きていく

「これから君たちが生きるのは今まで以上に変化が激しい、不安定で不確実で正解がない時代だよ。」学生をやっていると、将来への不安を煽る様々な声を聞く。人の寿命が企業の寿命を上回る時代。自分にしかできないことや自分なりのミッションを胸に、自分の中のバランス感覚を強めていくほかないんだなあ。

 

でもそんなことって、本当にできるのか?資格や学力で評価され、自分の価値なんてわからない。勇気を出して行動すると「意識高いね」と一蹴される。自分が本当に思っていることなんて話せない、みんな離れていってしまうから。「答えはない。」そう叫ばれる世の中だけど、周りは答えを持っていそうで自分がどんどん小さくなっていく。

 

僕がCMSPで経験したことは、わからないことだらけのこの世の中を、思い切り生きるための方法だ。

 

 

CMSPは「Change maker study program」の略。日本語訳すると、変革者育成事業なのかな。自分から変わること、これをなによりも大切にしている場所で、環境にとらわれず自分の手で理想を現実にしていく挑戦をする、そんなChange Makerを世の中に増やすことを目的に活動している。

少し自己紹介をすると、僕は2020年の10月から大学を休学し、広田町に住んでいる。CMSPでは、チームリーダーという立場についていて、CMSPをもうしばらく続ける、ということ以外、この先の人生なにも決まっていない。ちなみに今季でリーダーは二回目。CMSP歴が比較的長い分、率先してChange Makerの価値観を体現していきたいところ、なのだが、挑戦することってとても怖いことなんだなあ、という考えが最近の僕の頭の中を占めてやまない。コロナのご時勢、今までと同じ形でのプログラムはできないし、このまま休学期間をここで過ごすのは、果たして自分の人生にとって最良の選択なのかどうかわからない。そんなモヤモヤが僕の中を渦巻いていた。先行きが見えないのはとても怖い。答えなんてないのはわかっているけれど、この道が正しいのかは正直わからない。

 

話は変わるが、竹原ピストルの「よー、そこの若いの」という歌にこんな歌詞がある。(この歌はCMで有名になったので聞いたことがあるのではないかなあ。)

 

‘‘とかく忘れてしまいがちだけど とかく錯覚してしまいがちだけど 例えば芸能人やらスポーツ選手やらが 特別あからさまなだけで 必死じゃない大人なんていないのさ

よー、そこの若いの こんな自分のままじゃいけないって 頭を抱えてるそんな自分のままでいけよ‘‘

 

この歌詞を見るたびに、悩んでいてもいいし、人が自分の人生を前に進めるときって、必ずしもスッキリした状態ではないのかもしれないな、と思える。今、僕は人生に迷っている。でもだからこそここで頭を抱えながら思い切り人生をかけた半年を送ることに意味があるのかもしれない。答えのない世の中だからこそ思い切り、生きてみたい。

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