VOICE

卒業生の声 2021/10/12

なんだか物足りないから、君だけの人生を。〜風の強い日を選んで、走ってきた〜

 

「君の夢が叶うのは、誰かのおかげじゃないぜ。風の強い日を選んで走ってきた。飛べなくても不安じゃない。地面は続いているんだ。好きな場所へ行こう、君ならそれができる。」

 

the pillowsのFunny Bunnyという曲を漫画で知って、初めて聞いて何度も聞くたびに、自分の人生を生きよう、自分のペースでいいから歩んで行こうと何度も思い、その度にでも、じゃあどうやったらそうなるのか皆目見当もつかないまま学生時代を僕は過ごしていました。

 

なりたい自分や、やりたいこともなんとなくだけどある。家族は優しかったし、友達もいて、何一つ不自由ないはずなのにどこか物足りないような。将来は明るいようで、どこか寂しいようなそんな感覚を持ちながらとりあえずフラフラ人生を歩いていました。

 

2015年3月、友達に誘われて、陸前高田市の広田町に出会い、紆余曲折ありながらも僕は、この町に移住することにしました。それは、なんだか物足りない日々を、少しずつ僕の人生にしていくような、そんな道のりだったような気がします。もともと国際協力に興味があって、アフリカの国際協力に憧れていた学生時代。そこから、日本の3000人の漁師町に人生が落ち着いたのだから、やはり人生はわからないなと思います。

 

 

 

この町に出会い、生きる中で感じたこと。

それは、よく言われることだけど、「人生は自分のものだ」ということ。

そして、人生を自分の手に握りなおしたり、自分のものにしていく時には、

1人では難しくて、誰かの愛や誰かに背中を押してもらうことが自分を少しずつ勇気づけてくれるということ。

物足りないと感じていた頃の僕は、自分の人生だしな、なんて呟きながら、いろんなことを自分で決めることを諦めてた気がします。それに、壮大過ぎてよくわからなかった。壮大過ぎて独りでは背負えなかった。

人生は、未だに壮大で、わからないことも多いのだけど、あの頃の寂しさや物足りなさは、もうほとんどなくなった。もう本当に、無くなった。それは、一緒に挑戦してくれた仲間がいたからだし、胸を張れよって背中を押してくれた広田の町の人がいたからだし、全部が少しずつ僕に寄り添い、降り積もった結果だと思う。

 

 

どんな場所でも、意外と生きられる。

 

でも、

人は「1人」なんだけど、「独り」では生きられない。

これは僕が大事にしたいなと思っていることでもあるし、どんな人も、独りで歩くには人生はちょっと壮大すぎるよなとも思っています。

 

広田には、僕を愛して一緒に歩んでくれる仲間がいたし、僕の一生懸命を優しく受け止めてくれる町の人がいました。都会という大きなコミュニティでは見えなかった”人間らしさ”みたいなものが僕を勇気付けてくれて、僕は好きな場所に行こうって、昔よりも思えるようになったのだと思います。

 

 

何が、いま、これを読むあなたに届くでしょうか。

少なくとも、人生は君のものだし、仲間がいたら楽しいし、愛し受け止められることで、

人は自分の人生の背中を、押されていくのだと思います。

あなたにとってのそんな場所が、きっと見つかる。

 

それが広田であったなら、ぜひこれからよろしく。

 

でもそうじゃないとしても、この文章と出会ってくれた人の人生が、孤独ではなくワクワクしながら、地面を蹴って歩いていってもらえたら。

それはとても嬉しいことです。

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