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卒業生の声 2021/10/12

「あなたが生きる社会、活きる環境はきっとある」

大学時代、大学デビューに憧れて、

夢のキャンパスライフに憧れて、キャンパスライフをスタートした。

でもなんかうまく馴染めない。

なんだかつまらない。

想像していた未来はこんなんじゃなかった。

 

そんな大学生活を送っていた。

 

でもそんな未来を少しでも変えたくて、

いつもと違うコミュニティに飛び込んでみた。

 

だけど、そこでも「常識」を押し付けられてしまう。

社会のために、誰かのためになりたいと言うことを言えば笑われて。

向きになって言い返せば、「意識高い」と罵られ。

一生懸命やれば、「熱いやつ」とバカにされる。

 

大人はみんな、

「就活して就職しなさい」

「安定した会社に入りなさい」

「迷わないで決めなさい」と言う。

それが正しい人生なの?

あなたの時代と今の時代は違うよ。

あなたの価値観と私の価値観は違うのに、

なぜ押しつけるの?

 

私が生きる社会はどこだ。

私が活きる環境はどこにあるんだろう。

 

そう思っている人もいるかもしれない。

 

大丈夫、あなたが生きる社会、活きる環境はきっとどこかにある。

 

==

私が大学3年生の頃、東日本大震災が起こった。

縁があって、岩手県陸前高田市広田町で、震災ボランティアの活動をさせてもらった。

都会で暮らし、都会の価値観が当たり前で、その当たり前や普通に違和感があってモヤモヤしていた私は、人口3000人の田舎町で、隣近所全員顔見知り、自然とともに生きているこの町の価値観や暮らしに触れて、大きく揺さぶられた。

 

大学生の頃、東京に暮らしていて、

私が社会に感じていた違和感、

それは、

「なんで周りと違うことをしちゃダメなの?」
「なんで一生かけてやる事を今決めることを求められるの?」
「なんで未来のために今を我慢しろと言われるの?」
「なんで卒業後は就職しないと変な目で見られるの?」
「熱い!意識高い!とかなんでバカにされないといけないの?」
「社会のために何かしたいと思うことはいけないことなの?」

「一生懸命夢に向かって生きる事は素晴らしい事じゃないの?」
「なんで他者に評価されないといけないの?」
「なぜ競争して、勝つことが良いとされるの?

常に誰かと比べる自分でいることをなぜ求めるの?」
「悩むことや決めないことは悪いことなの?」
「当たり前って?常識って?普通って?」

「心の声に正直に生きちゃなんでダメなの?」

 

こう言うことだった。

都会の生活とは違う、価値観とは違う中で生きている町の皆さんと話し、向き合い、
そして仲間と語り合い、行動していく中で、

「自分にとっての豊かさとは何か?」について、

少しずつ理解していくことができた。

そしてそれは、私の人生において本当に素晴らしい出来事だった。

 

価値観が違うからこそ、

いつもと環境が全く違うからこそ、

出会えるもの、見えるもの、感じるものがきっとある。

信じられるもの、信じられる人、信じられる場所がきっとある。

 

「自分にとっての豊かさ」を理解できれば、

もう、周りに流されることもない。

もう、周りと比べることもしなくて済む。

もう、私の想いを邪魔する他の人の声は気にならない。

 

部屋の中から飛び出そう。

思いっきり環境を変えてみよう。

コロナだろうとなんだろうと、

自分の心一つ、行動一つで大きく変わっていく。

 

少なくとも私にとって、

この広田町と、

広田町の人と、

広田町での活動と、

ここでともに過ごす仲間たちは、

人生において大きな意味を持つものだった。

 

きっと、あなたにとっても、

そんな場所が、人が、活動が、きっとある。

大丈夫。

 

特定非営利活動法人SET理事長 三井俊介

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