小嶋諒生「たった一人、あなたのために」


「こんなんじゃ社会にでて仕事する資格はない 」

 

復興の遅れ 仮設住宅 被災地問題。

それを、解決する為の都市計画とは、まちづくりとは。

 さて、どう「改造」していこうかー

専攻が「建築」ゆえに、これまで学んできたことがどう活かされてくるのだろうと期待に胸を膨らませ、参加したsetプログラム。

 

、、、だが、その期待は大きく裏切られることとなった。

 

そして、より大切なことに気付かされる。

「自分はまだ社会にでて仕事をするべき人間じゃなかった。」と

 

このプログラムは、

まちの「人」にふれ、

まちの「自然」にふれ、

ここの「仲間」と、とことん向き合う ”場所” がある。

 

そんな”場所”で、刻々と時間をを積み重ねていくなかで、ふと考えさせられた。

 

「喜ぶってことってなんだろう。」

「社会にでて仕事をするってなんなんだ。」

 

  “目の前にいる人、、、この人を喜ばせたい、笑顔にしたい”

 

ただひとつ、このプログラムを経て肯定されたものがある。

 

 『たった一人、あなたの為に。』

 

この”想い”がこれからの自分の生きる道標として深く心に刻まれた。

 

実家に帰り、この体験を父に話す。

すると

「たった一人のあなたの為に。その自分の想いをひとにつたえよう。それは決してことばではなく。それがいつか自分を必要としてくれるひとのために。自分がこの世にいることに繋がる」

そう言ってくれた。

本当にかけがえのない時間を過ごすことができた。

 

それからか、どこか退屈でつまらないと感じていた東京での生活が普段よりいっそう楽しく感じられる。おそらく「幸せをかみしめる力」が育まれたからのだろう。

 

それはきっと

“下を向くな、こんな素晴らしいものがこの地球上にあるんだから”と語りかけてくる、壮大で美しい自然の「風景」に。

“そんなに慌てなくていい” と後ろから ポンッ と肩をたたいてくれる、広田町にゆったりと流れる生活の「空気感」に。

”まだまだこれから”と80歳のおばあちゃんの活気溢れる「力」と「笑顔」に。

“このままじゃいけない”勇気をもって一歩踏み出し、本気で向き合う「仲間」に。

”あの人のために” 苦しさを何度も乗り越えた尋常じゃないみんなの「一生懸命」に。

 

こんな広田にある⚪︎⚪︎に教えてもらった。

 

最終日の夜、広田町のとある食卓からこんな声が飛び交う。

 

「またこのみんなで広田町にこよう」

 

岩手県陸前高田市広田町。

ここでしか得られない学びと仲間がきっとここにある。