「温かい何か」

春期CMSP7期スタッフ    有薗文太

 

「人」という字は、「ノ」と「╲」が支えあってできている。そんなフレーズをどっかのテレビ番組で聞いたことがあります。僕は、普段はそんな言葉を「ふーん」という感じで受け流し、日常送っている中の一人なのですが、とあるときにふと、自分の心にぐさりと深く刺さって抜けない瞬間があるのです。今回このフレーズを考えるきっかけになったのは、朝大学に行く途中に、「今日の飯は何にしよう」「昼飯、昼飯、昼飯・・・・・」とコンビニにすがるように入って、コンビニ弁当の陳列棚の前に立ち、から揚げ弁当を手に取った瞬間でした。それは、僕の数年前の出来事です。

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僕の約四半世紀の人生、周りの人の支えなしには、ここまで来ることができなかったと感じています。特に母には、生まれた時から高校卒業までとてもお世話になっていました。高校時代、僕は野球部に所属していたのですが、2年間、顔のでかさはあるだろう人一倍大きなタッパーのお弁当を、朝早くから準備してくれて、それをかばんの奥底に詰め込んで、毎日自転車で持っていきました。4時間目が終わって昼休みになると、かばんの中から取り出し、弁当入れから出して箸を持ち、小さく手を合わせて「いただきます」。その光景を見たクラスメートに二度見されて目を大きくして驚かれたのを覚えています。部活を引退し、今度は大学受験を目標とする秋口に入ったころも、母はお弁当を作ってくれました。弁当の量は減ってしまいましたが、そこに込める思いは変わらずに。弁当を食べる自分はちょっと照れ臭かったんですが、同時に心の中がほっこりした気持ちになりました。お腹が余り空いてなくても、体調が優れないときでも、母の弁当作る姿が目に焼き付いていたからこそ、そして弁当に込めている思い「今日も頑張ってきなさい」というのを知っていたからこそ、それに応えるように僕は、弁当の米粒の一つ一つまで残さず食べました。そのおかげで体が丈夫であったのもあってか、高校時代は無遅刻無欠席の皆勤賞でした。家に飾っている記念品のトロフィーはピカピカのクリスタルで、僕の宝物であり、誇りになっています。IMG_6268

 

今年の春、僕はChange Maker Study Programの7期スタッフとしてもう一度プログラムに関わります。今回は自分の将来の夢のためのステップとして臨んだのですが、みんなでプログラムを作り上げ、現地入りの中で町のみなさんと関わっていくにつれて、当初の目的とは別に、自分の心の中に微かに残っている、高校時代あの日母の弁当から受け取っていた「心がほっこりする温かい何か」をもう一度感じてみたい、そして広田町で出会う誰かに感じてもらいたい、という思いも強く芽生えてきたのです。自分の中ではその「何か」というのは、具体的にはわかっておらず、まだはっきりとこれだ、と言い切ることができません。だけど、このプログラムにおいてその温かいものを得るためには、自分の力だけではなく、町の人、スタッフ、そして参加者の皆さんと一丸となってプログラムを実行していけば、見えてくるのではないか、そんなことをおもっています。このプログラムで皆さんは何を掴み取るのか、そして自分はどうすれば掴み取れるのか。頭の中で考えながら、今日も駆け抜けています。

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