広田からおばんです~現地の方々の声~ vol.5

Change Maker Study Program スタッフ馬郡一嘉 

12:20まご顔

<声にならない声>

 

陸前高田市広田町。

 

パカッと開いた、青しかない空。都会ではありえない、贅沢な日光。

サーっと風が吹く心地よい音が、耳いっぱいに広がります。

 

僕がはじめて、広田を歩いた日。

 

本当にいつもこんな感じなんだろうか。

今日がミラクルいい天気なだけなんじゃなかろうか。

家の周りがこんな感じなら、毎朝早起きできるのに。

 

それにしても、この町は静かです。

12:20写真1

「あ、現地の人が2人。話しかけてみようかな?」

 

ここは、過疎化が進んでいる地域。

歩いていても、あんまり人を見かけません。

広田の方と関係性を築く機会は、なかなか貴重です。

 

このおふたりは、おそらくご夫婦かな。

「こんにちは~。」

「……」

え、あれ? 畑仕事で、聞こえてないのかな?

「こ、こんにちは~!」

「ああ!?なんだぁ~あんだ~!!!」

わわっ!!怒らせちゃったかな…

今まで静かだったぶん、突然の大声にビビリまくり。

「あ、あのー!東京から来た大学生なんですけど、何かお手伝いすることありますかー!?」

「…ああ!?」

 

おじさんが畑仕事の手を止めて、ずんずん近づいていきます。

ちょっと。やばいって。絶対おこだって。

おじさんの言葉は方言がすごくて、ほとんど何言ってるか分かりません。

でも、どうやら畑仕事を手伝わせてもらえるようです。よかった。

僕が雑草を抜いていると、おじさんが近づいてくる気配が。

なんかよくわかんないけど、怒ってるよな。うん、謝ろう。ひーごめんなさい。

 

「おら!ハクサイ持っでげ!」

・・・・・・・・・え?

「ああ!?もういっごいるか!?いま袋ば持っでぐっべ!」

 

・・・突然の事態に、しばし混乱。

改めて顔を覗き込んでみると、おじさんは全然怒ってない。

むしろめっちゃくちゃはじけた笑顔。

この笑顔で、僕は自分の間違いに気づきました。

そうか。広田の人は方言きついだけで、本当は優しい人たちなのか。

誤解していて、なんだか申し訳なかったな。

「ああ!?大根もネギもあっがら、鍋ばすっとええ!」

はい、大根とネギも・・・ん?

「持って帰るの大変だから、車さ出して送っでやれ!」

え、ちょ、車ですか?すぐそこですよ?

「荷物置いだら、おらの家さ寄ってがっせん!飯くんべ!」

 

あ、そ、そんな・・・お昼ご飯まではさすがに・・・

しかしなぜだか断れなくて、結局ごちそうになることに。

広田の人って、こういう不思議なところがあります。

明らかにギブとテイクが割にあってない。

こっちが申し訳なくなるくらい与えて与えて与え尽くして、見返りを一切求めることなく、嬉しそうにしています。

12:20写真2

 

本来この企画は「広田の人の声」を伝えるものです。

しかし、この広田の「不思議さ」については、声がありません。

誰に聞いても、明確な答えが得られないのです。

おそらく、広田の価値観は「ギブ&テイク」ではなく「尽くし尽くされ」なのでしょう。

そしてお互いが「与える喜び」を味わっている。

広田ではそれが当たり前すぎて、声にならないのだと思います。

なんて素敵な町なんだ。

この「キツめの方言」と「与えきりの姿勢」のギャップが、僕らの世界を広げてくれます。

こんなところもまた、広田の魅力なのでしょう。

 

おばんでした。

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